ベータ分布
- 作者: 小島寛之
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/11/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本を参考にベータ分布を勉強します.
ベータ分布:ベータ関数により導かれる分布. ベイズ推定の際に事前分布として利用します.
ベータ関数
期待値
分散
グラフを描いてみます
ベータを1に固定してαのみ大きくすると、1より大きくなると指数関数となります.
curve(dbeta(x,1,1),from = 0,to=1,ylim=c(0,5)) #黒 par(new=T) curve(dbeta(x,2,1),from = 0,to=1,ylim=c(0,5),col=2) #赤 par(new=T) curve(dbeta(x,3,1),from = 0,to=1,ylim=c(0,5),col=3) #緑 par(new=T) curve(dbeta(x,4,1),from = 0,to=1,ylim=c(0,5),col=4) #青
αとβをランダムに
curve(dbeta(x,1,1),from = 0,to=1,ylim=c(0,3)) #黒 par(new=T) curve(dbeta(x,2,2),from = 0,to=1,ylim=c(0,3),col=2) #赤 par(new=T) curve(dbeta(x,3,3),from = 0,to=1,ylim=c(0,3),col=3) #緑 par(new=T) curve(dbeta(x,5,3),from = 0,to=1,ylim=c(0,3),col=4) #青
ベータ分布の使用例1
以下は自作(架空)の問題です.
問)ある疾患の患者群で10中で3人が転倒した場合の、転倒確率をベータ分布によるベイズ統計で推測せよ.
10人中3人なのでといのが直観的な確率になるのですが、ベイズ推定では次のように考えることができます. まず転倒する確率をx、転倒しない確率を1-xとします.転倒する確率(x)+転倒しない確率(1-x)=1.xは連続無限に存在するので、確率密度となります(0≦x≦1).ここで、xの事前分布設定のために、xがどの値でも「同様に確からしい」と仮定します.つまりxの事前分布を下図のような一様分布と仮定します.
「転倒した患者3名、転倒しなかった患者7名」という結果になる確率はとなり、この数式はのベータ分布です.
したがって転倒確率は となります.
ベータ分布の使用例2
A君は身体に障害をもっており、ただいま装具装着の練習中です.30秒以内で装着できる成功確率をxとして考えてみます.
今日は8回練習して、5回成功しました.A君の装具装着の成功率はどれくらいでしょうか? ベータ分布の使用例1と同じように、xの事前分布設定のために、xがどの値でも「同様に確からしい」と考えて一様分布を仮定します.
確率は となります.現在のA君の装具装着確率は以下のようになります.
curve(dbeta(x,6,4),from = 0,to=1,ylim=c(0,3))
事前分布が同様に確からしいということもありえないので、A君の今日の成功確率を事前分布として確率分布を推定してみます.ここでは正規化定数となるベータ関数を無視して確率分布のみを求めてみます.
P( 現状の成功確率 , 成功確率 ) = P(x) × 事前分布 =
となり以下のような確率分布(赤)となります.
curve(dbeta(x,6,4),from = 0,to=1,ylim=c(0,3)) par(new=T) curve(dbeta(x,7,4),from = 0,to=1,ylim=c(0,3),col=2)
感想)理学療法士が適切な事前分布を設定して、子どもたちの可能性を探るって重要なことだと思いました.