理学療法士がまとめたノート

統計学備忘録(R言語のメモ)

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モンテカルロ法で円周率を求める

モンテカルロ法で円周率を求める

投稿日2017.8.28

 

モンテカルロ法

 対象となるある現象がいくつかの確率変数の関数で表現できる場合(数値モデル)、各変数で仮定される確率分布に沿った標本値を大量に生成(乱数)して、その計算結果の分布を推定(結果の推定)する方法です。

 

      数値モデル → 乱数挿入 → 結果の推定

 

モンテカルロ法を使用して円周率 (π) を求めてみます

f:id:yoshida931:20170828101810p:plain

 

上図の四角の中にランダムに点を打ってみます

f:id:yoshida931:20170826170743p:plain

 

四角の面積は 2×2=4、円の面積は π × 1^2 = π

打った点の個数をn、円の中に入った個数をmとします

非常に多くの点を打つことで四角の中は塗りつぶされます

f:id:yoshida931:20170826173645p:plain

 

そこで次のような比率を考えます

点を多く打つことで、全体の点の数と円内の点の数との比が

四角の面積と円の面積の比に等しくなるはずです.

n : m = 4 : π

π=4 × m / n    (数値モデル

Rを使用してnの乱数を多く作成すれば円周率が求められることになります

ではやってみます

 

一様乱数から(x,y)を作成します  (乱数

-1<x<1, -1<y<1

試しに5組分だけ作成してみます

dat<-matrix(runif(5*2,-1,1),2)

f:id:yoshida931:20170826174705p:plain

                               イメージ

一行目をx、二行目をyとして x^2 + y^2 < 1 となる点の個数が

円内の個数mということになります

m<-colSums(dat^2) < 1

 

全ての点をプロットしてmは赤で示します

plot( dat [1,], dat [2,], col = (2-m) , pch = 20 )

m はcolSums(dat^2) < 1の場合にはTRUE=1、それいがいはFALSE=0 ここがポイント

col=(2-m)とした場合には円内に入ったら1(黒)、円外では2(赤)となります

 

これまでの式をまとめて100個打ってみます

dat<-matrix(runif(100*2,-1,1),2)

m<-colSums(dat^2) < 1

plot( dat [1,], dat [2,], col = (2-m) , pch = 20 )

f:id:yoshida931:20170826180011p:plain

分かりにくいので10000個打ってみます

dat<-matrix(runif(10000*2,-1,1),2)

m<-colSums(dat^2) < 1

plot( dat [1,], dat [2,], col = (2-m) , pch = 20 )

f:id:yoshida931:20170826180129p:plain

おっ!円が見えてきました!!!

ちょっと感動

 

dat<-matrix(runif(n*2,-1,1),2)

m<-colSums(dat^2) < 1

plot( dat [1,], dat [2,], col = (2-m) , pch = 20 )

 

結果の推定

π=4 × m / n   を推定します

上記の結果より

π=4 × m / 10000  = 3.1388    (乱数なので結果は異なります)

 

まとめて関数にしてみます

pai<-function(n){
dat<-matrix ( runif ( n*2 , -1 , 1 ) , 2 )
m<-colSums( dat^2 ) < 1
pl<-plot( dat [1,] , dat [2,] , col = (2-m) , pch = 20 , xlab = n , ylab = "" )
return( ( 4*sum( m ) ) / n )
}

 

nを100,500,1000,5000と変更して図を描いてみます

par(mfrow = c(2,2))

pai(100) ;pai(500) ;pai(1000) ;pai(5000)

dev.off()

f:id:yoshida931:20170828113446p:plain

f:id:yoshida931:20170828113502p:plain

n=100  π= 3.4
n=500   π= 3.128
n=1000  π= 3.144
n=5000  π= 3.1352

 

参考ブログ 随筆と忘備録: モンテカルロ法による円周率推定(R言語実装)